症状
感染源との接触から数日後に、尿道の違和感、排膿(尿道から膿が出る)、排尿時の激痛が見られます。
ところが全く自覚症状がないこともしばしばあります。
性病(性行為感染症)とは、性行為により感染する病気のことを言います。Sexually Transmitted Disease、あるいはSexually Transmitted Infectionの頭文字を取って、STDやSTIと呼ぶこともあります。
性病は必ずしも風俗、あるいは不特定多数の相手との性交渉で感染するとは限りません。ごく普通のカップルでもよく見られる病気であり、誰にでも関係のある病気なのです。
コンドームを装着していても破れてしまうことがありますし、オーラル、アナルのプレイでも感染することもあります。
パートナーを大切にするためにも、気になる症状がある方や、結婚のご予定がある方は、検査を受けるようにしましょう。
また、もし感染していることが判明した場合は、パートナーも同時に治療をしなければいつまで経っても治癒しません(ピンポン感染)ので、お互いを守るためにも、しっかりと2人で治療をしていきましょう。
性病(STD、STI)は自覚症状が出ないことも多く、自然に治ることはありません。
性病はパートナーに感染してしまうと、腹膜炎や不妊症の原因となることもあります。
他の病気と同じように、性病も早期発見と早期治療が大切ですので、検査を受けて早めに治療を受けるようにしましょう。
疑われる病気により検査項目は異なります。
クラミジアと淋病には尿検査を、梅毒、HIV、肝炎などには血液検査を行います。
それぞれ、結果が出るまでに約1~2週間要します。
感染源との接触から数日後に、尿道の違和感、排膿(尿道から膿が出る)、排尿時の激痛が見られます。
ところが全く自覚症状がないこともしばしばあります。
淋病の原因である淋菌は、先ず尿道(おしっこの通り道)で炎症をおこし、ついで前立腺、精管(精子の通り道)、睾丸、副睾丸にまで炎症は波及していきます。
睾丸や副睾丸に炎症がおこると陰嚢は腫れあがり、発熱や激痛を伴い治療後も後遺症として不妊症や排尿障害の原因となります。
また、淋菌が血液やリンパを介して全身に広がると、菌血症となり場合によっては死に至る事もあります。
飲み薬または注射で抗生剤を投与し、2週間後に治癒判定の検査を行います。
※最近は淋菌がほとんどの飲み薬に対して耐性化しており、内服治療が無効なため注射剤での治療が行われます。
ペニス(尿道)のかゆみ、痛み、違和感、熱感(焼けるような痛み)、排膿(うみが出る)、滲出液の排出(透明な液体がでる)、頻尿、残尿感等があります。しかし、全く症状が出ないこともしばしばあります。
放置することにより、パートナーへ感染し、腹膜炎や不妊症の原因になる、流産になる、母子感染(赤ちゃんに感染)するなどのリスクが高まります。
男性側も前立腺、精巣、精巣上体、腎臓、肝臓等の臓器へ感染が広がると治療が困難になります。
抗生剤を服用し、2週間後に治癒判定の尿検査を行います。
亀頭やペニス、肛門周囲に、小さな水疱(みずぶくれ)ができ、痛みやかゆみ、ヒリヒリといった症状が出現します。
しばらくすると水疱はつぶれて潰瘍を形成します。特徴的な症状があるため、問診と視診で診断が可能です。
ヘルペスは一回身体の中に入ったら消えることはなく、体力が落ちた時に出てきます。
大切なのは症状が出た時に早めに薬を使って症状を抑えることです。
抗ウィルス薬の飲み薬や軟膏を使用します。
カンジダは、ペニスや陰部、股間などの湿った部位に好発する皮膚病です。
真菌(かび)が原因で、かゆみやただれ、発赤、みずぶくれ、ヨーグルト状の白いカスが付着するといった症状が見られます。
なお、尿や汗の付着、糖尿病、ステロイド軟膏や抗生剤の長期使用で悪化します。
放置することで皮膚炎が悪化し、かゆみのため掻いた後の傷口から細菌が体内に侵入し重症感染症となることもあります。(蜂窩織炎)
感染の原因が分かればそれを取り除き、抗菌剤入りの軟膏を塗布します。
トリコモナスとは、肉眼では見えない小さな虫(原虫)で寄生虫の一つです。
男性の場合はほとんど無症状ですが、排尿痛や尿道からの分泌物が見られる方もいます。
パートナーに感染すると、膣炎、骨盤内感染症、不妊症、流産の原因となる可能性があります。
内服薬で治療します。
尖圭コンジローマは、性器周辺に好発するイボの一種です。
原因はヒトパピローマウィルス(HPV)の感染で、鶏の鶏冠(とさか)によく似た腫瘍が特徴的です。ペニス、特に亀頭部に好発し、陰嚢部、肛門周囲にもできることがあります。
コンジローマは、放置すると増大し、出血や痛み、細菌感染を合併して治療が難しくなります。
冷凍凝固法、軟膏外用(ベセルナ軟膏)、電気凝固、外科的切除等がありますが、早期の場合には液体窒素を使用した冷凍凝固法を第一に選択します。
ただし、ウィルス性疾患なので治療後の再発が多く、完治するまで根気強く治療を続けていく必要があります。
症状からHIVの判断はできません。
感染の可能性があれば、不安を取り除くためにもHIV検査を受けることが大切です。過去には不治の病と言われていましたが、現在の医学は日々進歩しており、HIVに感染してもAIDS(エイズ)の発症を抑えることが可能です。
HIVに感染してしまった場合は、いかにエイズの発症を抑えるかが重要です。症状が出る前に検査して対応すれば、エイズへの移行を予防することができます。
HIV拠点病院(琉球大学医学部附属病院、県立南部医療センター、県立中部病院)で行っていますので、検査が陽性の場合には当院より紹介いたします。
梅毒は病原菌であるトリポネーマの感染が原因で発症します。
症状は以下のように第1期から第4期の段階で異なり、人によっては症状がはっきりしないこともあります。
病原菌が体内に侵入すると、局所(主に陰茎、口唇、口腔内、肛門等)に5~20mm程度の硬くて赤いしこりができることがあります。これを初期硬結(しょきこうけつ)と言います。
股の付け根のリンパ節が腫れることもありますが、痛みがない場合には気が付かないということも珍しくありません。
さらに、初期硬結がただれて潰瘍になった状態を、硬性下疳(こうせいげかん)と言います。硬性下疳はそのうち自然に消えてしまいます。
病原菌は血液やリンパを介して全身に広がり、手のひら、足の裏、顔、首、胸、背中など全身に、うすい赤、または暗めの赤い発疹が出ることがあります。バラの花びらのような色であることから、バラ疹と呼ばれています。
バラ疹もしばらくすると自然に消えていきますが、病原菌はまだ体内に残っており治ったわけではありません。
医療が発達した現在の日本では、ここまで進行するのは稀です。全身の皮膚、筋肉、骨にゴムのような硬さの腫瘍(ゴム腫)ができます。
心臓血管系や全身の臓器に腫瘍ができ、脳、せき髄、神経も侵され、死に至ります。
梅毒には第1期〜4期の感染時期があり、最終的には死に至る可能性もあります。
医療が発達した現在、梅毒は過去の病気だと思っている方が多く、クラミジアや淋病の検査を受けるものの梅毒の検査は受けない傾向にあります。
しかし昔ほど多くないとはいえ、梅毒もしばしばみつかるためきちんと検査をして治療を受けることが重要です。
抗生剤の内服治療(4週間以上)を行いますが、薬を飲み終えても血液検査(STS法)を定期的に行い、STSが順調に低下することを確認します。
治療後6カ月経ってもSTSが16倍以上を示す時は、再発、もしくは再感染として再治療を行います。
A、いいえ、当院では同意書の提出を求めておりませんので、お気軽にご相談にいらしてください。
A、以前は、尿道に綿棒を入れてこする検査もありましたが、現在は尿検査と血液検査だけで判別できるため、痛みはありません。(ヘルペス、コンジローマなど、特徴的な所見から検査なしでも診断できる性病もあります)
A、はい、ご要望に応じて自由診療も行っております。
(※保険を使用すると保険担当者に性病検査をした事がわかってしまいます。)
性病は、早期発見・早期治療が重要ですが、それよりももっと大事なのは予防をすることです。
ネットや口コミでは、医学的に根拠のない様々な対処法が広まっていますが(うがい薬、コーラ、石鹸で洗う等……)、自分もパートナーも守るために、きちんとコンドームを使用するようにしましょう。
診察料金
診療目的 | 診療項目 | 料金(税込) | |
---|---|---|---|
保険3割 | 自費(自由診療) | ||
診察初回 | 初診料 | 850円 | 2,200円(税込) |
診察2回目以降 | 再診料 | 380円 | 550円(税込) |
性病検査代金
検査目的 | 検査項目 | 料金 | |
---|---|---|---|
保険3割 | 全額自費 | ||
クラミジア | CトラコマチスDNA | 1,060円 | 3,610円(税込) |
淋病 | 淋菌DNA〈部分尿〉 | 1,060円 | 3,610円(税込) |
淋菌、クラミジア | 淋菌、Cトリコマチス同時測定 | 1,320円 | 4,490円(税込) |
梅毒 | 梅毒定性[TPHA] 梅毒定性[RPR] |
630円 | 2,150円(税込) |
HIV | HIV抗原・抗体[ELISA] | 860円 | 2,920円(税込) |
※2015年現在の3割負担時のおおよその窓口負担額になります。